top of page

(声)

静けさが在る

静けさの中に(声)が潜んでいる

夜に生まれる露のように

(声)は満ちてゆく

(声)は存在の証ではなく

静かな(影)でしかない

(声)の彼方に(時)が待っている

無数の(声)を待つ無数の(時)が

耳を澄ませて待っている

ふいにまたひとつ(声)が立ち昇り

夜明けに吹く風の速さで野を渡ってゆく

ここに(声)が放たれたまま浮かんでいる

まるで(声)であることを恥じるように

(声)のままにそこに在る

すると風のように(時)がやってきて

(声)を連れ去っていった

誰にも届かなかった(声)を知る者はいない


Featured Posts
後でもう一度お試しください
記事が公開されると、ここに表示されます。
Recent Posts
Archive
Search By Tags
まだタグはありません。
Follow Us
  • Facebook Basic Square
  • Twitter Basic Square
  • Google+ Basic Square
bottom of page